はじめに
経緯や記載する情報については第1回の記事に詳しくまとめてあるので，そちらをご参照ください．
toron-krr.hatenablog.com
前回の記事はこちら
toron-krr.hatenablog.com
今回はきららフォワードのアニメ化作品についてまとめます．
まんがタイムきららフォワード編
フォワード系列特有の特徴
本編に進む前に，フォワード系列のアニメ化には他3誌にない特徴があるので，先に記載しておきます．
他3誌と異なり，フォワードはストーリー雑誌です．このため，特にアニメ化の発表時期は他誌と比べてかなり早い傾向にあります．おそらく，ストックがたまりやすいのが原因でしょう．
また単行本の刊行ペースも早く，約半年に1冊は出ます．このためアニメ化発表は4巻前後で行われることが多いほか，アニメ前後での単行本のペースの調整の結果刊行間隔が極端に伸びたり，逆に極端に縮んだりする傾向があります．
さらに他誌で行われるアニメ期間中の表紙独占も最近は行われない傾向があり，球詠，マギレコ，スローループが該当します．
これらのことを頭に入れたうえで以下を読んでいただくと，より作品ごとの傾向が見えてくるかと思います．
ゆるキャン△
- 連載開始：2015年7月号 (5月)
- 1期アニメ化発表：2017年3月号 (1月)
- 1期アニメ放映：2018年1月～3月
- へやキャン△&2期&映画発表：2018年10月7日(ゆるキャン 秘密結社ブランケット入団説明会 2018 Autumn *1 )
- Comic FUZ 移籍：2019年3月29日
- へやキャン△放映：2020年1月～3月
- 2期アニメ放映：2021年1月～3月
- 映画公開：2022年7月1日
- 3期発表：2022年10月22日(映画 ゆるキャン△ 舞台挨拶ザ・ファイナル *2 )
- 単行本発売時期：
3巻：2017年2月10日
4巻：2017年7月12日
5巻：2017年12月12日
6巻：2018年3月12日
(中略)
9巻：2020年1月10日
10巻：2020年3月12日
11巻：2021年1月7日
12巻：2021年4月12日
13巻：2022年3月10日
14巻：2022年11月10日
まず特徴的なのが，アニメ化発表までの期間の短さ．期間にして1年8か月で，フォワード系列の中でも早い方になっています．そしてアニメ1期でストックをほぼ吐き出しましたが，ショートアニメでうまく繋いで2期を放送しオリジナルストーリーで映画を制作，3期放映まで確定させています．映像面で原作ストック確保と新作の供給がうまく両立できるように計画されていて，抜け目がないなと感じます．
単行本はテレビ放映のシリーズとは連携して出していますが，映画では行われませんでした．映画が未来の時系列を描いたオリジナルストーリーだからなのか，はたまた映画館で13.5巻を配るから14巻を出せなかったのか．真相は謎に包まれています．
COMIC FUZへの移籍はFUZ宣伝のための必要な施策だったと思いますが，フォワードに残っていれば間違いなく看板として機能していたので一長一短あると思います．ただ現状のフォワードのビックネーム不足を考えると，ゆるキャン△が残っていれば今のフォワードももう少し盛り上がっていたのではないか，と思わずにはいられません．過ぎたことではあるのでこれ以上の言及は控えますが，フォワードから新たに人を呼べるだけのパワーを持ったIPが生まれることを祈るばかりです．
はるかなレシーブ
- 連載開始：2015年10月号 (8月)
- アニメ化発表：2017年9月号 (7月)
- アニメ放映：2018年7月～9月
- 単行本発売時期：
4巻：2017年9月12日
5巻：2018年4月12日
6巻：2018年8月9日
‐ 完結：2020年11月号 (8月)
アニメ化発表は4巻発売の宣伝タイミングで行われています*3．アニメ化発表までの期間は1年11か月とフォワード系列のなかでは少し早めぐらいの部類です．そこから単行本刊行ペースは多少調節してアニメに合わせてあります．
マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝
- アニメ化発表：2018年9月1日 (Magia Day 2018 *4 )
- 連載開始：2018年10月号 (8月)
- アニメ放映：
1st SEASON：2020年1月～3月
2nd SEASON：2021年8月～9月
Final SEASON：2022年4月3日 - 単行本発売時期：
2巻：2020年1月4日
3巻：2020年2月4日
4巻：2021年6月11日
5巻：2021年12月10日
6巻：2022年8月10日
アニメ化発表と前後してコミカライズ連載開始しているため，アニメと連携して宣伝していくことを狙って動いていたことが推察されます．しかし単行本発売時期はアニメ1期とは連携していたものの，2期以降は勝手に発売しています．これは調整が失敗したのか，内容の差異から宣伝効果が薄いと判断したか，こちらから見える情報では何とも言い難いです(個人的には後者だと思っています)．
とはいえこの企画に芳が本気かと言われれば微妙なところで，掲載順的にはいいところにいるものの注文書の〇はいまだついていません．アニメがキリよく終わっていてアプリのストーリーもまとまっている今，この作品をどこまで維持するかは注目に値するでしょう．
球詠
- 連載開始：2016年6月号 (4月)
- アニメ化発表：2019年8月号 (6月)
- アニメ放映：2020年4月～6月
- 単行本発売時期：
5巻：2019年3月12日
6巻：2019年9月12日
7巻：2020年4月10日
8巻：2020年6月12日
アニメ化発表は連載開始から3年2か月後，5巻の宣伝と同時期でした．これは4コマ誌なら標準的な期間であるものの，フォワードとしては珍しい長さです．単行本の刊行調整に関しては，8巻を頑張って2か月の間隔で出したな，と思います．
アニメの出来は正直……って感じです．それでも原作から読まれている方が多いのか現在でも看板張れてるのは心強いポイントですね．個人的な感覚だと，普段きららを見る層とは違うお客さんをうまく取り入れている印象があります．
スローループ
- 連載開始：2018年11月号 (9月)
- アニメ化発表：2021年2月号 (前年12月)
- アニメ放映：2022年1月～3月
- 単行本発売時期：
4巻：2021年1月12日
5巻：2021年12月10日
6巻：2022年3月10日
アニメ化発表は連載開始から2年3か月後，4巻の宣伝タイミングで，フォワードとしては標準的な期間になると思います．単行本刊行もきっちりアニメに合わせてきています．
アニメではある程度の固定層はつかめたのかな，と見ています．IPの展開としては横須賀に密着した展開がうまくいっている印象です．おちフルみたいに長く付き合っていけるような関係になっていけると嬉しいですね．
つづく
キャラット編はこちら
(完成し次第リンクを張ります．)
*1:https://natalie.mu/comic/news/302904
*2:https://natalie.mu/comic/news/498612
*3:フォワードの単行本宣伝タイミングは，タイミングの都合上1月前の発売号で行われることが通例
*4:https://mantan-web.jp/article/20180901dog00m200029000c.html
